スプリットコンプレッション VNT (SC-VNT) ターボ
GarrettのSC-VNT（Split Compression Variable Nozzle Geometry Turbo）技術は、自動車メーカーに将来のハイブリッドパワートレインに必要な高効率のガソリンエンジンへの手段を提供します。
SC-VNT でクラス最高の性能と燃費の新たな可能性を解き放つ
この革新的なターボチャージャーは、スプリットコンプレッションと可変容量型を同じシャフトに搭載し、HEV及びPHEV乗用車のミラーガソリンエンジンの熱効率を最適化します。その結果、正味燃料消費率（BSFC）が
大幅に改善され、CO2が削減されます
主な特長
ミラーサイクルの価値を高める
高作動角ミラーサイクルによって、耐ノック性が向上し、燃焼の位相が早くなり、エンジンの実圧縮比が増加します。これらはすべて、正味熱効率（BTE）の向上につながります。
GarrettのVNTターボチャージャは、ミラーガソリンエンジンを、エンジンマップ全体にわたって理論空燃比で運転することを可能にします。ただし、シングルタービンでのポテンシャルは、約90kW/l、最小正味燃料消費率(BSFC)で約225g/kWhあたりで制限されます。 このような性能レベルにおいては、ターボチャージャーは回転数とコンプレッサーの出口温度の上限付近で運転されます。
Garrettが開発した SC-VNT（スプリットコンプレッション可変ノズルジオメトリターボ）システムは、2 つのコンプレッサを同一軸上に配置し、1 つの VNT タービンホイールを組み合わせたものです。
コンプレッサーを直列に配置し、インタークーラーを併用することで、ターボを過回転させずに最大6:1までの圧縮比を発生させることが可能です。同時に、本システムは全体的な効率が幅広い複合コンプレッサーのマップにより、優れた総合効率を実現しています。
この技術と超高水準なミラーサイクルを組み合わせることで、100～120kW/Lで200g/kWhに迫るBSFCレベルを実現出来ます。
「ノック」現象でBMEPが制限されるすべての火花点火エンジンに適用出来る技術です。
ハイブリッド化する未来へのターボチャージャー
GarrettのSC-VNTターボは、相乗効果を最適化することで、単一ターボアプリケーションで、複数のコンポーネントの可能性を最大限に引き出します。この技術は、ハイブリッドパワートレイン内のガソリンエンジンにおいて、超高水準のミラー化を可能にすることが証明されており、大きなメリットをもたらします。そのメリットは以下の通りです。
・P2 48V MHEV で、WLTC（Worldwide Harmonized Light Vehicles Test Cycle）で最大6.5%、リアルエミッションモードで8％。
・100kW/L以上で最大42.5%の正味熱効率(BTE)を実現。
単一タービンで PR~6 (圧力比) を提供し、優れた熱管理と暖気性能を実現
SC-VNT は、非常に広い運転回転数及び負荷範囲で 220g/kWh を下回る BSFC を既に実証しており、EGR を追加することでさらに向上する可能性があります。これは、電動化・ハイブリッド化されたパワートレインの環境性能の向上するのに最適な技術です。2025年までに15%、2030年までに37.5%というWLTCのCO2削減目標（NEDC目標以上）を達成する為に必要な、特定の出力を大幅に低下させることなく、高効率なエンジン性能の手段を提供します。
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